新シン・ゴジラ暴れる

　話題の映画「シン・ゴジ

ラ」を見た。核問題をモチ

ーフにするものの中途半端

な表現でモヤモヤ感がぬぐ

えない。自分なりのストー

リーを考えてみた。

　軍事大国たちが60年前に

海洋投棄した核のゴミを摂

取した深海魚リュウグウノ

ツカイが進化巨大化し核物

質を求めて東京湾入口に現

れる。非核三原則を無視し

て米海軍横須賀基地に隠さ

れた核弾頭が狙いだ。

　自衛隊と米軍による猛攻

にゴジラと名付けられた怪

獣は退散するが、翌日、肺

魚に進化して御前崎に上陸。

目標は停止中の浜岡原発の

核燃料だ。目玉をギョロギ

ョロさせてズルズルとツチ

ノコのように這って進む全

長２００メートルのゴジラ

を自衛隊は阻止できない。

高い放射能を帯びているた

めうかつに手を出せないの

だ。光線を放射することは

無いが、ダラダラたれるヨ

ダレや排泄物も高い放射性

を発している。

　目的地まで来るとゴジラ

は身もだえして核分裂中の

ウランを吐き出した。崩壊

熱で原子炉容器を溶かして

燃料棒をいただくためだ。

　満腹したゴジラは夏眠に

入った。雨が降って目を覚

まさないうちにと、遺伝子

操作でゴジラを永久凍結す

べく、日本は官民学挙げて

総力戦で対策を講じる。

　だが非常にも三日目の朝、

豪雨の中、ゴジラは目覚め、

活動を再開する。さらに進

化し足を生やして二足歩行

するようになったゴジラが

目指すのは福井県の原発銀

座だ。半日かけて日本を縦

断し、近接する原発が次々

と餌食となり、北陸地方や

日本海全域に放射能汚染は

広がっていく。

　時速２０キロとなったゴ

ジラは約半月で、日本中の

全原発を餌食にできる能力

がある。ゴジラが次に目指

すのは運転中の伊方なのか

川内なのか。

　国連は安全保障理事会で

日本のど真ん中にいるゴジ

ラへの核攻撃を決議した。

だが核物質をエサとするゴ

ジラに核攻撃が有効なのか

どうかは誰にもわからない。

　人間が作り出した核の脅

威を核技術で制御できるの

か。人の知恵は「もんじゅ」

を超えるのか。ゴジラの問

いかけは重い。


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