恐ろしい事が起きつつある  =小泉首相を辞めさせろ=

 9月11日、ニューヨークの世界貿易センター・ビルがハイジャックされた2機の旅客機のカミカゼ攻撃により倒壊し6000人以上の人々が無残に虐殺された。同時にテロリスト・グループはワシントンの国防総省にも旅客機を突入させここへも多大な被害を与え、乗客の抵抗により森に墜落したといわれるもう1機もワシントンを狙っていたとされている。
 アメリカ合衆国はアフガニスタンに潜伏中のかねてより反米的なイスラム原理主義の闘士ウサマ・ビンラディンを今回のテロ事件の首謀者と断定し、いまやウサマへの攻撃を名目にアフガニスタンをはじめとする西アジア全域にに大規模な軍事活動を展開しようとしている。佐世保や横須賀の米海軍基地からは空母が出動し、なんと日本の自衛艦がその護衛のために艦隊を編成して付いて行くのだそうだ。それも、アメリカに追従することが国際貢献だと声高に唱えるおろかな首相の判断で。
 非戦を誓い一切の軍事力を持たないと宣言した日本国憲法はついになし崩し的にホゴにされ、日本はますますアメリカの衛星国として主体性を失って行く。「白を黒と言いくるめる」ようなアメリカのご都合主義に忠犬ハチ公のようにシッポを振り振りついていくのだ。
 世界中の国々からも日本は主権国家とはみなされなくなり、そのうち、合衆国の51番目の州として認知される日が来るかもしれない。

 いったい今回の事態をアメリカ帝国主義の戦略だと正確にとらえている人がどれだけいるのだろうか。歴史を紐解けばアメリカののもくろみがはっきりと見えてくる。

 1823年のモンロー宣言は「ヨーロッパ列強のアジア・アフリカでの植民地分割にアメリカは干渉しない。そのかわり、ヨーロッパはアメリカ大陸に政治介入するな」というもので、これは米帝国主義が最初の餌食として地続きのラテン・アメリカ諸国を選んだ事を示している。当時は米国は建国して半世紀の開拓途上の国であり、西部にはまだフロンティアさえ存在した。
 1836年にテキサスをメキシコから独立させ、のちに併合し、1848年には、カリフォルニアとニュー・メキシコを奪い取って合衆国の膨張は続く。実はフロンティアは海を越えて続いていたのだ。
 1853年に日本を開国させ、1867年にアラスカを手に入れ、1898年にはキューバの支配権をめぐって対立していたスペインとの戦争に勝ち、フロンティアはハワイからフィリッピンにまで伸びた。中国での利権を手にいれようと1899年には「門戸開放」を訴え、1901年には「義和団事件」に便乗して干渉軍を派遣し、ロシアの膨張を阻止するために、日露戦争をけしかけて日本を支援した。
 ヨーロッパでの帝国主義戦争である第一次大戦後、国際連盟を結成させヨーロッパ列強に相互牽制を強いておきながら、帝国主義的な膨張の妨げになると合衆国自身は参加せず、東アジア全域の覇権をねらってきたのだ。
 1941年対日戦。1950年朝鮮戦争。1962年ベトナム戦争。アメリカの覇権主義が西へと拡大していくのがわかるはずだ。日本、韓国、台湾を衛星国として従えるようになって、アメリカのフロンティアは西進し、東南アジア全域を手中に収めようとする。インドシナに対する干渉がそれだ。60年代を通じて戦われたベトナム戦争が無残な結果に終わり、アメリカの興味の対象は世界最大のイスラム国家であるインドネシアへとさらにはイラン、クウェート、サウジアラビアなどの西アジア諸国へと向かい、いまは中東におけるアメリカの衛星国イスラエルを足がかりに西アジア全域に覇権を拡張しようと画策中なのだ。
 1980年イランに対してのさらなる内政干渉の結果イラン革命がおきてアメリカ勢力が放逐され西アジアにおける拠点を喪失すると、東の隣国アフガニスタンの反政府ゲリラに資金と武器を援助してアフガニスタンのソ連衛星国化を阻止した。一方、イランの西隣のイラクを支援してイラン=イラク戦争をけしかけたものの、1990年イラクのサダム・フセイン大統領が経済的に行き詰まってクウェートを占領したのをきっかけに、今度は一転イラク制裁の湾岸戦争をひきおこした。リビアをテロ支援国と決め付け最高指導者カダフィ大佐の寝込みを襲って失敗したことも覚えておきたい。そして、今度の対アフガニスタン軍事報復である。
 かれらはもともと軍事作戦でテロリストを殲滅できるなどとは思っていない。かれらのねらいはアフガニスタンをタリバンの手から奪い、親米的な政権を樹立し、そこを西アジア全域を支配するための足がかりとすることなのだ。そのためにこそブッシュ大統領は事件後すぐに「これは戦争である」と声明した。防衛戦争であるならば国連の承認無しに相手国への軍事展開が可能となるからだ。単なるテロではアフガニスタンを侵略する口実とはならない。そしてそんなアメリカのもくろみのうらには軍産複合体と呼ばれるアメリカを陰からあやつる一握りのグループがいる。銃器や兵器産業もブッシュ政権の後ろ盾であることをけっして忘れてはならない。

 もちろんボクだって、罪の無い人々を無差別に殺傷するようなテロを憎んでいる。今こそ国連主導でイスラム諸国も含めて国際的なテロ包囲網を構築しなければならないと思う。そしてかれらを裁くのも国際司法裁判所でなければならないと思う。80ヶ国もの人々が無残に虐殺されたのだからこれはひとりアメリカだけが当事者というわけではけっしてない。国際秩序にたいする挑戦には国を越えたネットワークでたちむかわなければならないはずだ。
 さしたる証拠もないままに、テロの首謀者を決めつけ、それを殲滅するためと、自分の言いなりにならないよその国に大規模な軍隊を送り、戦争をしかけ、まわりの国に対しても力にまかせて「敵なのか味方なのかはっきりしろ」とヒステリックに睨み付けるようなアメリカをこそ「ならず者国家」と呼びたい。そして、そのアメリカの評価を受けたいからと憲法をねじまげてまで足手まといにしかならないような自衛隊を派遣することをほとんど独断で決めた小泉首相にボクはつくづく愛想が尽きた。願わくはアフガニスタン軍が自衛艦を狙い撃ちしてくれますように、、、。そして、交戦権も実力もない「日本軍」がはやばやとみっともなくも降伏し捕奪されて戦線離脱しますように、、、。

 このたびのテロ事件でもっともトクをしたのは誰かを見ると世の中が少しは見えてくる。それはブッシュ大統領一派とそれをあやつる米産業界であることは明らかだ。。
 国家が外圧で危機的な状況下では、国の指導者はタカ派的であればあるほど国民の支持を集めやすい。本来ボンクラな政治家であるブッシュはジリピンの支持率をヒステリックに戦争を主張することで回復するのだ。ブッシュの後ろ盾である軍事産業や兵器産業が喜ばないはずは無い。実際アメリカでは事件後、銃を購入して武装する人々が増えている。ブッシュ政権の熱心な支持団体である全米ライフル協会の連中も大喜びのことだろう。テキサス州出身のブッシュのもうひとつの後ろ盾、それはメジャーと呼ばれる石油産業だ。かれらは中東産油国をアメリカの支配下におくことで世界のエネルギーを牛耳ろうと画策している。かれらがアメリカの西アジアにおける帝国主義の牽引役であることは疑いの余地がない。テロへの報復がアメリカの西アジア進出の口実となっていることは明らかだ。
 テロの被害で一時的なダメージをこうむる米産業界全体も、復興で消費が拡大し、いったん戦争ということになれば戦時特需でおおいにうるおうこととなる。不況が始まりつつあり沈滞していた景気も一挙に回復し、ブッシュ政権は当面の難題をすべて一挙に解決できることとなる。すべて、何千人何万人という無辜のアフガニスタン民衆の犠牲の上に、、、。
 テロに対する警戒論が事件の10日ほど前から叫ばれていたこと、貿易センター・ビルでの事件がテロだとブッシュが事件直後にフロリダで断定したことなどを考えれば、半世紀前の真珠湾攻撃と同様に、彼らは事件の起きる事を事前に想定していたと考えることは無理のないことだ。さらにうがった考え方をすれば、ブッシュ一味が事件のほんとうの黒幕なのではないかという疑惑さえ浮上する。
 そして、そんなアメリカのもくろみを知ってか知らでか、「日本はつねにアメリカに随伴する」と演説するアメリカ教原理主義者のオメデタい首相は身をもって自爆テロリストからブッシュを救うためにでもさっさと殉教して本人お好みの靖国神社にでも祭られてほしいものだ。
 そうなのだ。自爆テロは一人でも可能なのだ。
 朝のラッシュアワーの満員地下鉄電車に乗ればダイナマイトを身体に巻きつけた殉教者は自分ひとりの命とひきかえに何百人もの異教徒たちをポアすることができるのだ。テロリストが地下鉄に乗ることを阻止することは現実的には不可能だ。
 それに、軍事攻撃ではけっしてテロリストたちを根絶やしにはできない。肉親や友人を殺された人々のなかにはみずからがテロリストとして敵への復讐を誓うものたちが輩出するはずだ。そうだ。軍事攻撃は新たなテロリストを育てることにしかつながらない。そして、テロリストたちの新たな標的には確実にこの日本も含まれる事になる。
 アメリカはイランを避けてアフガニスタンを攻撃するために、しきりにパキスタン政府に圧力をかけている。しかし、パキスタンの国民感情ははっきり反米だ。パキスタン政府が露骨に親米政策をとって反米デモの抑圧にはしれば、民心は政府転覆へと向かうだろう。パキスタンに反米政権が成立したあかつきには、パキスタン、アフガニスタン、イラン、イラクの4カ国が反米で一致団結することも考えられる。恐ろしい事にかれらには核というカードがあるのだ。そして、もうひとつ反米で共通する北朝鮮がかれらと接近した時、核弾頭を装着したテポドンが日本を射程に入れないとも限らないのだ。

 小泉というおろかな総理大臣をもったばっかりに、日本が破滅の危険にさらされる。
 日本国民すべてがいままさに覚醒しなければならない。小泉の正体を見極めねばならない。かれは、日本再軍国化を公然と唱え、日米同盟を政策の基幹にすえたそれまでの最悪の総理大臣、元海軍士官ナカソネヤスヒロの一番弟子なのだ。その証拠に小泉は訪米前に対米政策を相談するために真っ先にナカソネにお伺いをたてた。日本を、そして世界を破滅の危機にさらさないために、今すぐ、その最悪を更新した小泉純一郎を罷免せねばならない。                                                                                      2001年9月25日   

            
 これは、もう3年前に書いたものだが、ボクの予想は的中し、その後、恐ろしいことが次々と起こっている。米国は戦時の集団ヒステリーを背景にアフガニスタンをそしてさらにはイラクを攻め滅ぼしたし、イスラエルは右へスウィングした米国世論を後ろ盾に帝国主義的な膨張を続けようとパレスティナや周辺国への圧力を増している。パレスティナにとどまらず、フィリピンやインドネシアやロシアではイスラム原理主義者による凄惨なテロがあとを絶たず、イスラム諸国以外にも、アジアやアフリカ、中南米そしてヨーロッパの世論はすべて反米的な傾向を強めている。世界からすっかり融和と協調と相互理解とは失われ、怒りと復讐とが国と民族と文化とを関係づけるキーワードになってしまった。こんななか、「寄らば大樹の陰」とばかり、一国主義の米国に随伴することに専心し、おこぼれ的に国際連合の常任理事国入りを訴える小泉首相は世界市民の笑いものであることを続けている。                         2004年9月25日


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